CYCLIST FAN

トラックレース&競輪を中心とした自転車競技情報ブログ

 全日本選手権

全日本も6月1日の女子と男子のレースのみですが、取材させていただきました。
今年は男女ともオリンピックの選考大会でもあったので、
有力候補と目される選手達を中心にレースを振り返りたいと思います。


●女子(エリート&ジュニア) 86.1km(12.3km×7周)


注目は沖美穂(メニキーニ・JPCA)を筆頭に、豊岡英子(チームAYAKO.TOYOOKA)、萩原麻由子(鹿屋体育大学)、
山島由香(サイクルベースあさひレーシング)らのアジア選手権代表組。



レース中盤からは豊岡、萩原、沖、山島、唐見(KINAN muur-king.com)、森本、西(ともにパールイズミ・スミタ・ラバネロ)の7名が先行。


その後ろには遅れて和田見(中京大学)と針谷(KINAN muur-king.com)が続く。


ジュニアの争いは岩田(北桑田高校)、星川(笠田高校)、木村(石田高校)の3名に絞られた。


6周回目最後の上りを単独で通過する沖。


遅れて山島、萩原、豊岡の3人が追う。


その後ろには西と森本のベテランコンビ。


さらに後方には唐見の姿が。


後続に1分以上の差をつけ、沖がゴール。


2位争いは3人でのスプリントになり、山島が競り勝った。


圧倒的な力を見せつけ11連覇を達成した沖。


女子ジュニア表彰式。左から2位星川、1位木村、3位岩田。


女子表彰式。左から2位山島、1位沖、3位萩原。


沖選手はレース後の共同インタビューで、
「自分と(他の選手は)走っている場所が違う。だから勝ったことは嬉しいが、それは日本で一番になれたからではなくて、
このチャンピオンジャージをヨーロッパで着て走れるということが嬉しいんです」と話していました。


現在確定しているオリンピック枠1つは沖選手が代表でまず間違いないでしょうが、
北京を最後に現役を退く意向なのか?という質問に対しては、すでに3つのチームからオファーが来ていることを明かし、
「とにかく北京オリンピックが終わってから考えたい」とのことでした。


沖選手はやはり強いですね! 11連覇おめでとうございました。



●男子 196.8km(12.3km×16周)


男子の注目はやはりアジア選手権を制した別府史之(スキル・シマノ)、UCIランキングトップの宮澤崇史梅丹本舗-GDR)、
前年の全日本チャンプ新城幸也梅丹本舗-GDR)、そして先日のTOJではポイント賞も獲得した西谷泰治愛三工業レーシングチーム)の4名でしょう。



男子スタート直前。これから5時間を超す戦いが始まる。


序盤に出来た16名の逃げグループ。新城、西谷も含まれていた。


先行集団との差が開き始め、別府を擁するシマノが中心となってメイン集団がペースアップを図る。


一旦はメイン集団が追い付き、振り出しに戻ったものの、今度は11名の新たな逃げが生まれる。ここには西谷も。


先行集団とメイン集団とのタイム差は一気に開いてしまい、ここでメイン集団から飛び出した新城は岡崎(梅丹本舗-GDR)とともに前を追う。


新城を先行集団に合流させるべく、岡崎が懸命に前を引き2分以上を縮めるが…。


別府も後続集団に取り残されてしまう形に。5分以上開いたタイム差はもはや厳しいか?


決定的な逃げとなった先行集団はラスト2周あたりから動きが活発化し、福島康司梅丹本舗-GDR)がアタック、残り1周へ。


先行集団から遅れ始めた狩野(スキル・シマノ)と飯島(チームブリヂストン・アンカー)。


さらに橋川(マトリックスパワータグ)も遅れる。


岡崎が力尽きたあと単独で前を追っていた新城だが、届かず。


その後ろからだいぶ遅れて後続集団の姿が。別府もここにいる。


ゴール前の直線、見えて来たのは井上(NIPPO-ENDEKA)、野寺(スキル・シマノ)、福島晋一梅丹本舗-GDR)、佐野(NIPPO-ENDEKA)。


スプリント合戦を制したのは野寺!


3年振り2度目の全日本チャンピオンとなった野寺。ゴール直後の笑顔。


チームメイトの狩野と抱き合う。目には涙も。


男子表彰式。


シャンパンファイト。


レース後の記者会見でおっしゃっていましたが、今回シマノチームオーダーは別府選手を中心に野寺選手、土井選手で勝ちを狙う作戦だったそうです。
後半にできた逃げグループに野寺選手が入り、別府選手は後続集団に残る形になりましたが、
「後続集団との差が3分以上開いたところで、自分が勝たなければいけないと思った」とコメント。
最終周回では狩野選手が遅れ、チームでは一人となってしまった野寺選手。「不利な状況だったが、最後まで勝つために集中した」


厳しい展開の中で掴み取った勝利。今シーズン、シマノのキャプテンでもある野寺選手は、
「自分自身、最近勝ち星から遠ざかっていたが、なによりキャプテンとしてチームが目指していた優勝を勝ち取れて良かった」と話していました。


オリンピックの選考に関しては、この結果がどう判断されるのか分かりませんが、
とにかくこの日の野寺選手の走りはとても素晴らしかった、これだけは間違いなく言えることでしょう。
野寺選手、優勝おめでとうございました。


出場された選手の皆さん、お疲れさまでした。