6月22日、23日に「大分県県民の森 平成森林公園周辺特設コース」において、2013年の全日本選手権ロードレースが行われました。
今回戦いの舞台となったコースは、事前の情報で「上りと下りしかない厳しいコース」と聞いていましたが、実際足を運んでみると、想像以上の厳しさ。1周15kmのうち前半はほぼ下り、そして後半はずっと上りが続き、しかも下りは小刻みなカーブが連続するテクニカルな難コース。全カテゴリーを通じて完走率がかなり低いことからも、いかに過酷だったかが伺えます。
まずは23日に行われた男子エリートから、写真で振り返りたいと思います!
★男子エリート フォトレポート
スタート・フィニッシュ地点となった、のつはる少年自然の家。
男子エリートのスタート。この日は朝から雨模様で、コース内には霧が立ちこめる。これから12周、180kmの戦いが始まる。
1周目から西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)、
中根英登(Team NIPPO-DE ROSA)、
内間康平(Team NIPPO-DE ROSA)
、窪木一茂(和歌山県)
、吉岡直哉(京都産業大)の5名の逃げグループができ、2周目にはさらに新城幸也(Team Europcar)、土井雪広(Team UKYO)、中島康晴(愛三工業レーシングチーム)が加わり、8名の強力なメンバーによる先頭グループが形成される。
先頭を追うメイン集団はブリヂストンアンカー勢が前に上がり、コントロール。
テクニカルな下りと、その後6kmにも及ぶ上りが待ち構える過酷なコース。
6周目には先頭グループから中根、窪木、吉岡が脱落し、5名となる。
メイン集団は、エース・清水都貴のためにブリヂストンアンカー勢が引き続ける。
この時点でメイン集団は崩壊し、追走するのは清水、増田成幸(キャノンデールプロサイクリング)、伊丹健治(ブリヂストンアンカー)、狩野智也(Team UKYO)。
レース後半に入ると、一旦は上がった雨がまた降り始め、霧も濃くなる。
優勝争いは新城と土井の一騎打ちかと思われたが、10周目に入ったあたりで土井が突然失速。新城が単独で先頭を行く形に。
単独となった新城だが、どんどん後続を引き離し、一人旅状態で残り1周へ。
土井は3番手に落ち、最終ラップでも次々に抜かれ、最終的に8位まで順位を落とす結果に。本人のブログによると、実はレース前から体調がよくなく、レース中もかなり苦しみ、最後はハンガーノックのような状態になっていたという。
残り1周の時点でコース上を走る選手は数えるほどしかいなくなったが、苦しみながらも最後の最後まで食らいつく。
2番手に6分以上の大差をつけてフィニッシュ地点に姿を現した新城。
6年ぶりの全日本優勝となった新城。完走者16名というサバイバルレースを圧倒的な力で制した。
男子エリート リザルト
1位 新城幸也(ユーロップカー) 6時間17分31秒
2位 清水都貴(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +6分15秒
3位 増田成幸(キャノンデールプロサイクリング) +9分14秒
強行軍の日程でフランスから帰国し、この全日本に臨んだ新城選手。コースの印象から「きついレースになることは最初から分かっていた。前半のいい逃げに乗って、そのまま逃げ切る作戦を考えていたが、その通りになった」と話し、久しぶりに手にしたチャンピオンジャージに「すごく嬉しい」と笑顔を見せていました。
レース後の記者会見で、ツール・ド・フランス出場への質問を受け、まだ正式には決まっていないものの「たぶん大丈夫だと思う」と手応えを掴んでいる様子だった新城選手ですが、その通り今年もツール出場を決めてくれました! もうすぐ開幕するツールでの活躍も楽しみですね。