ロードレースの国内チャンピオンを決める全日本自転車競技選手権大会ロードレースが、6月27日〜28日の2日間に渡り、今年は栃木県那須で開催されました。この1週前には個人タイムトライアルの選手権も同じく那須で行われています。
今年の舞台となった那須は、実は関東では初めての全日本ロードの開催地。公道を使ったレースは、長時間の交通規制が必要となることもあり、これまでの開催地はどうしても市街地から遠く離れた場所になることが多かったのですが、今回のコースは駅からも徒歩圏のエリアがあるなど、比較的アクセスのいい、観戦しやすい大会だったのではと思います。
しかも、スタート・ゴール地点に近い公園で自転車メーカーのブースや飲食店が揃うイベントも開催され、待ち時間の多いロードレース観戦は、初めての方や小さなお子さん連れの方などにとってはちょっと時間を持て余してしまうこともある中で、買い物や地元のグルメを楽しめる工夫は、さすが“観光地・那須”だなと思いました。こういう観戦者を呼び込むことや、楽しませるための工夫というのは当たり前のようでいて、今までの全日本ロードではなかなかなかったことなのです…。
宿や駐車場からのシャトルバスも用意され、“観せる”ことが最大限考慮されていた大会だったと感じます。
また、とにかく開催地の意気込みを強く感じました。大会前日に、報道関係者を集めたメディアミーティングが行われるのですが、なんと那須町の高久町長が参加し、挨拶をされました。
そして地元チームの那須ブラーゼンと、同じく栃木県内のチームである宇都宮ブリッツェンの監督、選手が記者会見を行うなど、これも今までにはなかったことでした。
全日本に限らず、公道の使用を伴うロードレース大会の開催は本当に大変だと思います。ある意味、日本では開催できていること自体が奇跡的なのかもしれません。大会開催には地域住民の協力も必須です。少しでも多くの方にロードレースに対する理解を深めてもらうことが重要であり、そのためにはまずはレースを“観てもらう、知ってもらう”ことが大切だと思います。そういう観点からみても、今回の那須で開催された全日本ロードはとても大きな意味を持つのではないでしょうか。
メディアミーティングで挨拶をされる那須町の高久町長。
メディアミーティング後、那須ブラーゼンと宇都宮ブリッツェンの記者会見が行われた。左から那須ブラーゼンの清水良行監督、鈴木龍選手、宇都宮ブリッツェンの鈴木真理選手、清水裕輔監督。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、レースをざっと写真で振り返りたいと思います!
★女子ジュニア+女子U17
スタート前。注目はやはりこの人、アジアチャンピオンジャージを纏う梶原悠未。
女子ジュニア+女子U17 リザルト
1位 梶原悠未(埼玉・筑波大学附属坂戸高校)
2位 細谷夢菜(埼玉・浦和工業高校)
3位 内村舞織(鹿児島・南大隅高校)
★男子U17+男子U15
男子U17+男子U15
1位 篠田幸希(群馬・前橋工業高校)
2位 日野泰静(愛媛・チームグロシャ)
3位 石井洋輝(福島・白河実業高校)
★男子ジュニア
激しいスプリント合戦になったゴールを制したのは沢田桂太郎!
男子ジュニア
1位 沢田桂太郎(宮城・東北高校)
2位 中川拳(北海道・帯広三条高校)
3位 武山晃輔(山梨・甲府工業高校)
★男子U23
積極的にアタックがかかるも、集団に吸収を繰り返す、出入りの多いレースに。
スタート・ゴール地点を少しすぎると線路に沿うような下り基調のコースになる。
男子U23
1位 中井路雅(滋賀・京都産業大学)
2位 黒枝咲哉(大分・鹿屋体育大学)
3位 岡本隼(和歌山・和歌山県)
★女子エリート
最後はロングスパートで先に仕掛けた萩原が、追走する與那嶺、金子を振り切り優勝!
女子エリート
1位 萩原麻由子(群馬・Wiggele Honda)
2位 與那嶺恵理(茨城・サクソバンクFX証券)
3位 金子広美(三重・イナーメ信濃山形)
★男子エリート
選手宣誓は那須ブラーゼンの小坂光と宇都宮ブリッツェンの堀孝明。堀の手に握られた“あんちょこ”がなんだか微笑ましい(笑)。
序盤からいいメンバーが揃った逃げもできるが、中盤すぎにはいったん振りだしに戻る。
後半に入り、アタックが繰り返される中、ラスト1周に入り有力どころが軒並み入る逃げグループができる。
チームメイトとの連携攻撃もハマった窪木一茂が、最後は単独でスパートし、嬉しい全日本初優勝!
男子エリート
1位 窪木一茂(和歌山・Team UKYO)
2位 畑中勇介(東京・Team UKYO)
3位 増田成幸(栃木・宇都宮ブリッツェン)