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トラックレース&競輪を中心とした自転車競技情報ブログ

 全日本トラックレポート

今回の全日本選手権自転車競技大会は、来年の世界選手権出場の選考を兼ねて行われました。どのような選考がされ、どの選手が選ばれるのか、本日から明日にかけて色々動きがあるようです。


それはともかく、今現在来年の世界選出場が決まっている種目(男子トラック)は、先月行われたアジア選手権で金メダルを獲得したスプリントしかありません。
ケイリン伏見俊昭選手がかなりポイントを獲得していますが、世界選に出場するためには、11月から始まるワールドカップに出場し続け、更なるポイント獲得に向けて善戦しなければならないのです。


また北京オリンピックに関して言えば、スプリントでも今後のワールドカップ、世界選で勝ち上がり、更にポイントを獲得していかなければ出場は見込めません。世界選のUCIポイントは確かに高いですが、それだけレベルの高い競走になるわけですから、当然勝ち上がれるという保証はありません。


一番の問題は、チームスプリントです。UCIポイントは現在ほとんどないといって良く、今後ワールドカップで獲得していける見込みがあるのかどうなのか、非常に微妙なところです。なぜ、チームスプリントにこだわるのか。この種目で、オリンピック出場が決まれば、スプリント、ケイリンの枠が付いてくるからなのです。
この場合、オリンピックのチームスプリントに出場する選手にスプリントとケイリンの出場権が与えられるので、これらに強い選手を選んで強化すればいいのだから、シンプルに目標が定められるでしょう。


では、この後どのようなスケジュールで、世界選手権出場に向けて、ニッポンチームは動いていくのかですが、11月末からのシドニーで行われるワールドカップを皮切りに、とにかく必死になって、UCIポイントを集めなくてはなりません。


ところが、トラック短距離の主力陣は、競輪選手。第1戦のシドニーは、トップ競輪選手達がしのぎを削るGI競輪・全日本選抜競輪(熊本競輪場、12月1日から)と日程が重なってしまっているのです。
オリンピックか、お金か? 競輪選手としてどちらかを取らなくてはならない事実もあるわけです。


では、今回の全日本選手権トラック自転車競技大会を振りかえってみましょう。
今回の大会のタイムトライアル系では特筆すべきタイムは出ていませんでした。非常に平凡なものでしたが、唯一、女子3km個人追い抜きで和田見里美選手が、大会新をマーク。しかし、日本新にはまだタイム差があることは否めません。


ケイリン、男子ポイントでは、これらの種目で今現在、日本で一番UCIポイントを持っている伏見俊昭選手と飯島誠選手に優勝させ、更にUCIポイントを上積みさせる作戦に強化チームが出て、確実に上積みさせたことは見事でした。
特に、男子ポイントでは、盛一大選手、角令央奈選手両強化選手のアシストで、他の選手をぶっちぎり、飯島選手が優勝したのは、特筆ものでしょう。世界レベルに徐々に来ている3選手だと思います。
それについては、女子ポイント優勝の和田見選手も同じで、国内では敵無しになるでしょう。ただ、更に国際レースに慣れ、スピードのアップ、戦術面の向上、アタックをする精神力の更なる向上を目指さなければならないと思います。


スプリントでは、コンスタントにハロン10秒1、2が出る選手が出てこないと世界では勝負になりません。来年の世界選では、9秒台が続出する可能性があります。
勝負しにいくのなら、やはりこのタイムを目指せなければ意味がありません。
当然、これくらいのタイムが出るのであれば、ケイリンでも十分勝負になってくるわけです。
オリンピックまで、もう時間はありません。
後はマニエディレクターの手腕にかかっています。
是非期待したいですね。


それとお知らせ。
JCF会長が、来年、アジア選手権(4月)を奈良で行うことを発表しました。
トラック競技のほうは(ポイントの締め切り上)オリンピック出場に関してあまり関係が無いようですが、女子のロード競技はかなり関係がありそうです。どうなるのでしょうか。楽しみなところであります。