2日目も全競技が終了しました。
今大会は日本チームにとって、あまり良い意味ではなく予想外の展開続きになっているような感があります。
アクシデントもありましたが、順位・ポイントを上げる絶好のチャンスだったこの大会で、こういう形の苦戦を強いられるとは…。
しかし、ともかくあと一日です。選手の皆さんの頑張りに期待して、応援しましょう!
明日の最終日は男子スプリントが行われます。
本来はマディソンも出場予定だったのですが、飯島誠選手の負傷もあり、今回日本チームは不参加となりました。残念ですね…。
スプリントは日本時間の明日早朝3時(夜中?)より予選がスタートです。
こちらも速報でレース結果を掲載する予定ですので、お楽しみに。
ここでちょっとお知らせです。
CYCLIST FANのウェブサイトができました。
本当はブログよりも先に立ち上げる予定でいたのですが、諸事情あって遅れてしまい、
この度ようやくアップにこぎつけました。
まだ工事中のページやコンテンツも多く、
デザインも手直し中なので、少々見づらいかと思いますが(すみません)、
2007年の世界選手権やチャレンジ・ザ・オリンピック、アジアカップ、全日本選手権など、
国内外のトラックレースの取材レポートなどを載せています。
これからどんどん内容を充実させていく予定ですので、
こちらのウェブサイトも合わせてご覧いただけると嬉しいです。
では2日目の現地レポートをどうぞ。
現地レポート
ワールドカップ第3戦ロス大会は非常に手痛い大会になってしまったかもしれません。
ポイントレースで飯島誠選手が負傷し、スクラッチの盛一大選手も予選敗退、期待のケイリン・伏見俊昭選手も第2ラウンドに進出できず敗退。
唯一、救いはチームスプリントの7位だけとなってしまったようです。
しかし、伏見選手の敗退は痛い…。ここは絶対に勝ち上がらなくてはいけないレースでした。
ひとつここで考えなくてはいけないのが、やはりケイリンには経験が必要と言うこと。
確かに、伏見選手は競輪選手ですが、「ケイリン選手」ではありません。世界のレベルで言えば、明らかに経験不足では無いでしょうか。
一瞬のタイミングで思い切って行くか、引くかを選択しなくてはいけません。競輪でも一瞬のタイミングはあると思いますが、それ以上にシビアな選択をケイリンでは迫られています。
身体が反応するという言葉がありますが、まさしくケイリンにはこれが必要でしょう。
伏見選手のラウンド1のメンバーは、はっきり言って勝てる相手でした。
しかし負けてしまい、国際競輪でもおなじみのマレーシアのングにやられてしまったのは、ケイリン競走における経験差がもろに出た感じがしました。
UCIカレンダーを見ていると、アメリカにKEIRINCUPという大会があります。これはUCIポイントが付く大会で、ヨーロッパ各国、またングも参加している大会です。
確かに競輪も大事ですが、ケイリンの経験をワールドカップだけで積んでいくのは、非常に難しいものがあります。
「世界のケイリンに慣れる」
今後の課題はここにくるでしょう。
しかし、後ろ向きな話をしても始まりません。
激戦となるワールドカップ第4戦コペンハーゲン大会での活躍に期待したいですね。
ケイリン第1ラウンド。残り1周で伏見は後方に位置し、後手に回る形に。
そのまま前に抜け出せなかった伏見は4着となり、敗者復活戦へ。1着はマレーシアのング。
しかしフランスに捲られ、2着となった伏見は第2ラウンドへは進めず、13位に終わる。
そしてスクラッチには、盛選手が出場しました。
疲れもあり本来のスピードのある盛選手らしい走りが出来ず、ワールドカップリーダージャージ選手のマークに出たのですが、
この選手も積極的なレースをせず、惜しくも9位で予選落ちしてしまいました。
飯島選手の負傷があり、意気消沈気味な中距離陣ですが、コペンハーゲンでは、元気なレースを期待したいところです。
スクラッチ予選。白いW杯リーダージャージの選手をマークする作戦に出た盛。
今回はあまり本調子ではなかった様子の盛。予選9着で敗退となった。
何とも残念な結果が続く日本ですが、視点を変えるとアジアの躍進が続きます。
まず、女子ポイントレースでは、一位こそチェコのマチャコバでしたが、2位は韓国のリーミンヘイ、3位は中国のリ・ヤン。
特に韓国はワンラップアップで、3位以下を千切っている。今回は、イギリス、オランダの強国が一旦休み、次に備えている事もあるのですが、
それにしても韓国、中国の自転車競技に対する熱の入れようは高いと感じられる。まあ、中国は今年オリンピック開催国だから、当然ではありますが。
女子ポイントレース表彰式。1位チェコ、2位韓国、3位中国。
また、ホンコンチャイナのワンカンポー。世界選手権と同じ勝ち方でスクラッチ優勝を飾りました。
作戦は、残り4周ぐらいまで、後方で脚を溜め、少し緩んだところをカマシスパート。ベラルーシのキリエンカと逃げ、最終ラップで、キリエンカを交わし優勝。
スクラッチの勝ち方をよく分かっていると思います。
早い段階で、ワンラップアップ以上し、後を寄せ付けないのか、ワンラップアップ以上している選手がいなければ、最後にカマシ逃げするかでしょうね。
アルカンシェルを身にまとうワンカンポー。今大会もスクラッチで優勝。
さて、男子ケイリンはフランス・コフィデスのトゥルナンが優勝しました。
もともと、1000mタイムトライアルの世界記録保持者が、ケイリン、スプリント、チームスプリントに転向。
1000mタイムトライアルがオリンピック種目から外れた事もあると思いますが、それにしても強い。
クリス・ホイ、テオ・ボス等がいない間の優勝を飾れるのですから、実力的にはその次辺りに来ているのでしょう。
日本チームのケイリンについては、このレースを見て感じたところがありました。それは、「ケイリンに慣れていない」ところでしょう。
競輪では、ワンテンポ待っても、あらゆる手段(どかしたり牽制したり)で何とかなりますが、ケイリンではそれがかなり制約されます。
そうすると、判断が非常に重要になってきます。特に今回伏見選手が負けた原因を推測するに、相手が弱すぎた事が原因でしょう。
ある程度強い選手の行動は読めるところがありますが、弱い選手の場合、読み通り動くとは限りません。まさしく、そのマジックに伏見選手は嵌ってしまった感じです。
実力は断然上、しかし、読み違えてフタをされ負けてしまったのは、やはり経験不足が露呈したと思います。
他国の選手は、ワールドカップに来る前に、色々な大会にエントリーしています。そこから学ぶものがいかに重要なのか、もう少し考えるべきではないでしょうか。
例えば、アメリカでケイリンカップが行われています。これはUCIのカレンダーにも乗っている大会です。
出場メンバーを見れば、有名どころは無論、マレーシアのング選手も出場しているのですから、このような大会にも出場し、経験を積む事をしていかなければならないと思います。
いかなる条件でも勝たなくてはいけない時に、負けてしまうのは今回だけで終わりにしたいところですね。
競輪とケイリン、2足のワラジで戦い続ける伏見。今回の結果には本人も「不甲斐ない」とコメント。
男子1000mタイムトライアルは、オリンピック種目からはずれているため、強い選手の登場というよりも、若手選手の登竜門的な種目になりつつあるような感じがします。
やはりこの種目で強い選手が、ケイリン、スプリント、チームスプリントの2走、3走で強い選手になってきます。注目しておかなければならない種目でしょう。
優勝したのは19歳のサンダーランド。タイム的には1分2秒702と、まずまずのタイム(世界記録と比べてね)。
チームスプリントではチームトーシバで大活躍中です。この選手の今後の活躍に注目したいですね。
男子1000mタイムトライアル優勝のサンダーランド。
男子チームパーシュートでは鬼の居ぬ間の何とやらで、オーストラリアナショナルチームが優勝を飾りました。
オリンピックに向け、少しでも個人の選択肢を広げたい思惑が見え隠れするオーストラリアの作戦かもしれません。