CYCLIST FAN

トラックレース&競輪を中心とした自転車競技情報ブログ

 大会初日レポート

現地より初日のレポートが届きました。


初日レポート


魂の走り

世界選手権で我を忘れて、トラックエプロンから絶叫したのは初めての体験だ。
もうちょっとで、金メダル。少なくとも、表彰台に上がり日の丸が掲揚されるシーンを夢見られた時間だった。


2008UCIトラックサイクリング世界選手権の初日に行われた種目は、
男子個人追い抜き4000m、男子チームスプリント、女子500mタイムトライアル、男子スクラッチの4種目。
日本人選手が出場した種目は、男子チームスプリント、男子スクラッチの2種目。
男子チームスプリントはオリンピック出場権がかかった大事な一戦だった。



オープニングセレモニーの様子。


大会初日を追っていくと、
まず現地時間15時30分からスタートした男子個人追い抜き予選で、イギリス期待のブラッドレイ・ウィギンスがトリで出場、
オランダのジーンイング・ヒュジンガと対戦し、負けてしまうという波乱。場内は大盛り上がりって、悲鳴かな?
もうひとつの波乱はワールドカップで優勝したペニー・タイラーが予選落ちしてしまったこと。
決勝は、ウィギンスが勝ち場内大歓声。
地元が勝つと盛り上がる図式は、どこも変わりません。


男子個人追抜きで優勝したイギリスのブラッドレイ・ウィギンス。


女子の500mタイムトライアルは、キューバのグレア・ゴンザレスが強かった。
表彰台で見せた涙が印象的だった。


女子500mタイムトライアル優勝はキューバのグレア・ゴンザレス。


そして男子チームスプリント。
取材者側としては、ワールドカップ4戦を見てきて、そんなに簡単に世界選手権で、タイムアップが図れるとは思わないが、
オリンピックの出場権さえ確保できれば、時間はあるのだから、何とかなる。北京オリンピックでメダルに手が届くと考えていた。
しかし、ふたを開けて見ると…。
我が日本は、北津留翼、渡邉一成、永井清史の布陣。迎えたスタートは、北津留のスタートミスで、あわやと思われたが、
中国が先に発走できない意志表示をしたため、難を逃れた。
2回目のスタートはうまくいき、ワールドカップを通じて一番時計45秒031で8位。
日本よりも前で走った、ウクライナや、アメリカ、ポーランドが、45秒前半のタイムを出していた中、まずまずの順位でホッと一安心となった。
とりあえず、タイムはともかく、オリンピック出場枠はほぼ確実となった。
が、トップのタイムを見ると、フランスが43秒271の世界新記録を出し、2位のグレートブリテンも43秒777、3位オランダも43秒718と43秒台。
はっきり言って、オリンピックでのメダルは、無理でしょう。
誰がどんなに縮めたとしても、今の日本に43秒台を出せる3人はいないと思われます。オリンピックに向けさらに厳しい戦いが待っています。
また、気になったのがフランス。
予選の3走目はミカエル・ブルガンだったが、決勝はアルノー・トゥルナンに代えてきたこと。
機会があれば聞こうと思います。



男子チームスプリント。日本は45秒031で8位。


優勝はイギリスを下したフランス。


タイムはなんと43秒271。世界新記録


フランスチームはこの笑顔。


男子チームスプリント表彰式。フランス国歌を合唱。


そして、男子スクラッチ。泣けた…。
全体的にスピードは上がらない中、残り41周まず1回目の逃げに入った盛は、途中つかまったが、残り16周、緩んだところを再度逃げに入った。
それも単独で。ラストまで持つのか! 周回は残り少なく後2周でまだ単独で逃げ。後方からは、追い上げるベラルーシのアレキサンドラ・リソスキと集団。
残り1周、リソスキに並ばれ、金は無理でも、銀、銅―――――――――!!!!!!!!
しかし、ゴールは6位。
結果は6位だったが、本当に良く頑張ったし、夢を見させてもらった。
トラックエプロンで写真を撮っているので、本当は叫んではいけないとは思うが、絶叫していた。
たぶん、ベロドロームにいた全ての日本人、そして、ライブ中継を見ていた日本人が
叫んでいたと思う「頑張れ!盛!」と。
レース後「最後まで持ちませんでした。もうちょっとでしたけど(笑)」と明るく応えてくれた盛には、次の世界選手権では、絶対メダルを、彼のために取って欲しい。
彼は、29日のマディソンに出場する。オリンピック出場が掛かった一戦だが、必ず飯島誠と良い結果を出してくれるはずだ。


残り16周、単独で抜け出した盛。ここから最終周回まで逃げ続ける。


残り1周、逃げる盛に迫るリソスキ。


優勝は盛を交わした勢いのままゴールを駆け抜けたベラルーシのリソスキ。


男子スクラッチ表彰式。次の世界選ではここに盛の姿があって欲しい。