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 JCFがトラックナショナルチームのコーチを新たに募集

日本自転車競技連盟(JCF)が、トラック競技の強化コーチ募集の告知をHP上で行っています。


強化コーチ募集についての記事はこちら。http://jcf.or.jp/?p=11031


先日、このブログで『KEIRINマガジン』3月号のお知らせとして、トラックナショナルチームの現状について少し触れましたが、ついにJCFも動き出したようですね。
当初はロンドンオリンピックまで監督を務める予定だったマニエ氏がチームを離脱・辞任し、体制が定まらぬまま今季を戦ってきたトラックナショナルチーム
こういった不安定な状況は選手のパフォーマンスにも影響を及ぼしかねません(事実、すでにその兆候も現れはじめていますが…)。
2年後に迫ってきたロンドンオリンピックに向け、トラックナショナルチームは体制の立て直しが急務と言えます。
監督、コーチといった指導者の新たな登用や、人材発掘・育成は今後のトラック競技の強化には必要不可欠であり、今回の試みがいい方向に向かって行って欲しいと思います。


これは個人的な意見ですが、国際大会を取材していて感じたこととして、中長距離種目の指導者の必要性です。
先月のW杯第4戦北京大会でポイントレースを走り終えたあとの盛一大選手が話していたことですが、「余裕のあるときは自分で展開を見て行くことは出来るが、余裕がなくなると一人で全部を見るのは難しい」と。
ポイントレースは得点の奪い合いだけでなく、ラップもあるため、今誰がラップしていて何ポイント獲っているのかなど、他選手との得点差やラップしている選手の動きを常にチェックしておく必要があります。
レース中、写真を撮っているとよく分かるのですが、盛選手は頻繁に電光掲示板に目をやり、各選手の得点を確認しています。
しかし、やはりスピードが上がって目まぐるしい展開になっているときや、ラップした人数も多く得点がばらけているようなときは、自分で全てに目を配ることは難しくなり、あとで「しまった!」というようなことも起こりかねないわけです。
「そういうときはやっぱり(監督、コーチからの)指示が欲しいところですよね…」と盛選手は話していました。
チームでありながら「孤軍奮闘」になってしまっているのが、今の日本トラックチーム中長距離陣ではないでしょうか…。


日本の場合はどうしても短距離種目に強化の比重がいきがちで、もちろんこれはこれで重要なことなのですが、盛選手が昨年のW杯スクラッチで金メダルを獲ったことで実証したように、中長距離種目でも決して世界と戦えないことはありません。オリンピックの中長距離種目は大きく変わってしまったので、今のところなんとも言えませんが、世界選手権でのメダルは手の届かないものではないのですから。
もう少し中長距離種目にも目を向けたトラックナショナルチームが作られて行くことを願っています。