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 今季からUCIトラックW杯、世界選手権への参加システムが変更に。主な変更点と参加資格獲得までの流れを紹介 世界選手権編

前回のトラックW杯編に続いて、トラック世界選手権編です。
まずトラック世界選手権に出場するためには、同シーズンのトラックW杯に参加することが大前提。その上で、W杯への参加回数や、W杯のポイントランキングなど、いくつかの条件をクリアする必要があります。


★トラック世界選手権参加資格獲得までの流れ
前回同様、JCFのHPで発表されたチャートを参考にしながらご覧いただけると、分かりやすいかと思います。


※JCFサイトより。世界選手権参加資格取得チャート


1. 国・チームが今季W杯全戦に出場すること
今季のW杯は全部で3大会となっていますが、国・チームが全戦に参加するだけでなく、さらに細かい条件として「全戦で参加した種目」にのみ、世界選手権参加の権利が生まれます。例えば、男子スプリントで世界選手権参加を目指すなら、W杯3戦すべてにおいて男子スプリントに選手を出場させる必要があります。


2. 国が直近の大陸選手権で当該種目に出場していること
大陸選手権は日本の場合、アジア選手権になりますが、今年3月にインドで行われた2013アジア選手権で日本が出場しなかった種目に関しては、2014世界選手権でも出場できません。


3. 種目別に定められた、競技者のW杯参加回数をクリアすること
個人種目に関しては、その競技者個人に対して今季W杯の参加回数下限が決められています。


♦スプリント、ケイリンの競技者→2戦以上の参加
♦オムニアム、ポイントレース、スクラッチ、1km/500mTT、個人追抜きの競技者→1戦以上の参加


4. 今季W杯全戦終了後のW杯ポイントのランキングで世界選手権参加資格が決定
各種目別に下記の順位内に入ることで、最終的に世界選手権参加資格を得られます。尚、これらの条件は前年の世界選手権優勝者、大陸選手権優勝者などには適用されません。


♦種目別ランキング(男女とも同じ)
スプリント    30位
ケイリン     21位
チームスプリント 12位
1km/500m TT   20位
オムニアム    20位
団体追抜き    12位
個人追抜き    20位
ポイントレース  24位
クラッチ    24位
マディソン    12位


※国ごとの最大参加人数は下記のように定められています。例えばA国の3選手が男子スプリントで参加資格を獲ったとしても、スプリントの参加上限は2人ですので、3人のうち2人しか男子スプリントには出場できません。
つまり、A国は男子スプリントで3枠の参加資格を獲ったとしても、実際に出場できるのは「2枠」のため、空いた「1枠」は順次ランキングが繰り上がる形となり、上記の順位以下でも世界選手権に出場できる可能性は残ります。


♦国ごとの最大参加人数
スプリント    2人
ケイリン     2人
オムニアム    1人
1km/500mTT   2人
ポイントレース  1人
クラッチ    1人
個人追抜き    2人
チームスプリント 1チーム
団体追抜き    1チーム


※男子・女子スプリントが従来の3人から2人へ変更


♦詳細はUCI競技規則(JCF翻訳版)で確認できます。トラック世界選手権についての記述はP17〜となっています。
http://jcf.or.jp/wp2012/wp-content/uploads/downloads/2013/04/09_World_Championships.pdf


以上が、大まかなトラック世界選手権の参加資格獲得の流れになるかと思います。


そして、もうひとつ新たに設けられた事柄として、各国は世界選手権の参加枠数に応じて、トラック競技の国際大会を開催しなければならなくなりました。参加枠数上位15カ国はクラス1、次の15カ国はクラス2、さらにその次の15カ国はクラス3の大会を開く必要があります。
今季は今年2月に行われた2013世界選手権の参加枠数が対象となり、日本は上位15カ国に入っているため、クラス1(5カ国以上の参加が必要)の開催が義務づけられます。
元々UCIのこの一連のトラック競技に関するシステム変更については、最初に出された内容から一部変更が加えられるなど、少々混乱した部分もあり、この国際大会開催の義務は来季から反映されるという情報も飛んでいました(日本はこの情報を採用していました)。
しかし、どうやらこれは今季から実施しなければならなかったようで、さてさて日本はどうするのでしょう…?? 開催実施期間は来年1月までのようですので、ある日突然国内でのクラス1大会開催の発表があるかもしれません。それはそれで楽しみではありますね。