引き続き、第12回全日本選手権トラックの写真とリザルトです!
※10月28日追記 残っていた女子ポイントレースと男子ケイリンもアップしました。
○男子チームスプリント
強化、学連、鳥取の3チームが出場。
予選は強化チームが1分15秒040という400バンクでの大会新記録を出して1位。2位に学連、3位が鳥取となり、1-2位決定戦は強化と学連の対戦に。
ちなみに400バンクでの日本記録は、今年の5月にACCトラックアジアカップ(花月園)で記録された1分13秒668(浅井康太、柴崎淳、深谷知広)。
今回の強化チームは第1走深谷知広、第2走坂本貴史、第3走脇本雄太という19歳(深谷)と20歳の非常に若いメンバーで臨んだ。
決勝では予選のタイムをさらに上回る1分14秒230で大会記録をまたまた更新した強化チーム。この3人での組み合わせは初めてだったが、深谷曰く「もっとタイムは出ると思う」と心強い!
早稲田大学の3選手で構成された学連チームは2位。
3位になった鳥取チームは倉吉総合産業高校所属のメンバー。
男子チームスプリント リザルト
1位 強化(深谷・坂本・脇本)1分14秒230
2位 学連(澤口大和・今井一誠・入部正太郎)1分20秒641
3位 鳥取(福井敬司・石田友・中尾翔)1分22秒107
○女子500mタイムトライアル
7選手が出走。
優勝は36秒538のタイムで2位に2秒以上の差をつけた前田佳代乃(鹿屋体育大学)。今回スプリントと合わせて2冠を達成。まだ18歳ながら女子短距離界のホープだ。
全アマではこの種目で優勝も飾っている篠崎新純(セオレーシング)だが、ここでは2位に。
高校生ながら3位に入ったのは野村くるみ(内灘高校)。
8月に行われたジュニア世界選手権で36秒111のジュニア日本記録を出している前田。高速バンクとして知られるモスクワ(もちろんインドア)でのタイムだけに、今回の記録はなかなかの好タイムと言っていいだろう。
女子500mタイムトライアル リザルト
1位 前田佳代乃(鹿屋体育大学)36秒538
2位 篠崎新純(セオレーシング)38秒720
3位 野村くるみ(内灘高校)39秒137
○男子1kmタイムトライアル
4選手が出走。
優勝は1分06秒464で坂本貴史(JPCU青森)。「05秒台は出したかった」という坂本だが、チームスプリントの予選を走ってからあまり間がなかったこともあり、本人としては満足のいくタイムではないとのこと。
2位には地元山梨の高校生、末木浩二(甲府工業高校)が入った。
3位は横関裕樹(朝日大学)。
男子1kmタイムトライアル リザルト
1位 坂本貴史(JPCU青森)1分06秒464
2位 末木浩二(甲府工業高校)1分07秒921
3位 横関裕樹(朝日大学)1分08秒411
○男子ポイントレース
11名が出場。30km75周で行われ、5周ごとに全部で15回のポイント周回で争われた。
ブリヂストンアンカーの嶌田義明と普久原奨が、エース飯島誠をアシストすべく、スタートから積極的に前を引いてレースを作る。
序盤に集団から抜け出したのは元砂勇雪、越海誠一、飯島、嶌田の4名。
飯島、元砂、越海を中心に得点を重ねて行く。レース半ばで暫定1位の飯島と2位の元砂とのポイント差は一桁。
ラップ後、いったん集団に戻ってからも飯島は1位通過を連発し、大きく得点を上積みする。
レース後半に入って飯島、越海、元砂の3人が再び抜け出し、後続を引き離す。レース開始時には小雨程度だった雨が、かなり強くなっている。
終盤に入ると元砂が怒濤の1位通過連発で、一時は16ポイント差まで開いていた飯島との得点差をじりじりと縮めるが、序盤と中盤にポイントを取れなかったことが響いて猛追及ばず、飯島が逃げ切っての優勝となった。
終わってみれば全ポイント周回で得点、しかもほぼ全て1位か2位通過だった飯島だが、終盤4度のポイント周回で元砂に1位通過を許したのは少々意外。すでにポイント差が安全圏に入っていたことや、雨足がかなり強くなっていたことなどもあってあえて無理はしなかったのか。優勝はしたものの、自身のブログでも「内容は全然ダメだった」と振り返るように、やはり一年以上のブランクを埋めるにはもう少し時間が掛かりそう?
今年8月のジュニア世界選手権ポイントレースで銀メダルに輝いている元砂。百戦錬磨のベテラン飯島を相手に堂々のレースを見せ、2位となった。
中盤までは元砂と接戦で2位争いをしていた越海だが、終盤大きく得点を重ねた元砂に引き離され、最終的には3位に。
男子ポイントレース リザルト
1位 飯島誠(チームブリヂストンアンカー)1lap 72p
2位 元砂勇雪(榛生昇陽高校)1lap 63p
3位 越海誠一(日本大学)1lap 51p
○女子ポイントレース
上野みなみ選手が欠場し、9選手が出走。20km50周で行われ、5周ごとに計10回のポイント周回で争われた。
初日に行われた男子とは打って変わって、快晴の中で行われた女子ポイントレース。和田見里美や石井寛子といった優勝候補が出場していないだけに、勝負の行方はまったく分からない。
単発的に飛び出す選手はいても大きな逃げにはならず、終始集団のままでのレースとなった。
森本朱美、井上玲美、豊岡英子、明珍裕子の4選手が中心となってポイントを奪い合う展開に。
接戦を制したのはベテランの森本。全ポイント周回でコンスタントに得点し、優勝を手にした。
後ろは2位に入った井上。一時は豊岡が暫定2位にまで上がったが、最終盤で井上が逆転した。前を走るのは積極的に逃げを試みるなど3度の1位通過を果たした明珍。豊岡とは同ポイントながら、ゴール着順で敗れ4位に。
ゴール周回まで縺れ込んだ2位、3位争いの中、最後に得点を逃したものの辛くも表彰台の3位を守った豊岡。
女子ポイントレース リザルト
1位 森本朱美(パールイズミスミタラバネロ) 27p
2位 井上玲美(チームコラテック) 22p
3位 豊岡英子(パナソニックレディース) 18p
○男子ケイリン
8選手のみのエントリーだったため予選は行われず、決勝戦一発勝負となった。
ここでの注目はやはりこの深谷、脇本、坂本の3人。どんなレースを見せるのか。
周回中の並びは深谷が前を取り、坂本、脇本と続く。
残り1周のホーム。後方から石口がカマして一気に上昇、先手を取ろうとするが、深谷がこれに合わせて踏み、石口を前に出させず併走。
最終2コーナーにさしかかると石口がずるずると後退、深谷がそのまま先行。3コーナーを過ぎて坂本が番手から早めの発進で捲って出る。
先行する深谷を交わした坂本が1着、深谷2着、脇本3着となり、プロ選手3人で表彰台独占となった。
ケイリン優勝の坂本。3人で連携し、深谷が前で先行することは作戦通りで、番手から仕掛けるタイミングは坂本に「お任せ」だったとのこと。
男子ケイリン表彰式。
男子ケイリン リザルト
1位 坂本貴史(JPCU青森)
2位 深谷知広(JPCU愛知)
3位 脇本雄太(JPCU福井)
4位 末木浩二(甲府工業高校)
5位 後藤祐貴(法政大学)
6位 大村慶二(リコー/フジパレンティーニ)
7位 野村匡仁(日本体育大学)
8位 石口慶多(立命館大学)
以上で第12回全日本選手権トラックレースのフォトレポートは全種目終了です。
長くなりましたが、見てくださった皆さま、ありがとうございました!