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トラックレース&競輪を中心とした自転車競技情報ブログ

 2016-2017トラックW杯第3戦カリ大会初日の日本勢は男子団体追抜14位、女子オムニアム鈴木奈央14位、男子ポイントレース近谷涼18位。短距離ヘッドコーチのブノア・ヴェトゥ氏のインタビューも掲載!

2016-2017トラックW杯第3戦カリ大会が開幕しました。


初日は男女チームスプリント、男子団体追抜(予選〜1回戦)、女子オムニアム、男子ポイントレースが行われ、日本勢はちょっと苦戦を強いられる結果となっています。


では、現地から届いた写真とともに大会初日の結果を振り返ります。


★男子チームスプリント
12チームが出走。今回は日本からの出場はありません。
予選、1回戦の結果から、1-2位決定戦は予選1位のポーランドと予選2位のドイツの対戦となり、ドイツが予選より大きくタイムを落としたポーランドに勝利し、優勝。
予選3位のロシアと予選5位のフランスの対戦となった3-4位決定戦は、ロシアが勝利を挙げています。



3位のロシア Photo:Takenori WAKO



2位のポーランド Photo:Takenori WAKO



優勝のドイツ Photo:Takenori WAKO



表彰式 Photo:Takenori WAKO


終結
1位 ドイツ 43.598
2位 ポーランド 45.058
3位 ロシア 44.495


★女子チームスプリント
11チームが出走。今回は日本からの出場はありません。
予選、1回戦の結果から、1-2位決定戦は予選1位のドイツと予選2位のGazprom-Rusvelo(ロシアのトレードチーム)の対戦となり、予選から全て32秒台でまとめたドイツが貫禄の優勝。
予選3位のHoly Brother Cycling Team(中国のトレードチーム)と予選4位のスペインの対戦となった3-4位決定戦は、スペインが逆転で勝利。



3位のスペイン Photo:Takenori WAKO



2位のGazprom-Rusvelo Photo:Takenori WAKO



優勝はミリアム・ヴェルテとクリスティナ・フォーゲルで臨んだドイツ Photo:Takenori WAKO



歓声に応えるフォーゲル Photo:Takenori WAKO



表彰式 Photo:Takenori WAKO


終結
1位 ドイツ 32.441
2位 Gazprom-Rusvelo  32.521
3位 スペイン 33.325


★女子オムニアム
日本からは鈴木奈央選手が出場。
鈴木選手は1種目めのスクラッチ13位、2種目めのテンポは1ポイント獲得の10位、3種目めのエリミネーション18位で、3種目を終え暫定14位で最終種目のポイントレースを迎えます。ここでなんとか得点を伸ばし、順位を上げたいところでしたが、2点追加に留まり、最終的に14位という結果でレースを終えています。
第1戦で銀メダルを手にしているロッタ・コペッキー(ベルギー)が、この種目の実力者であるサラ・ハマー(アメリカ)などを抑えて、優勝を飾りました。



1種目めのスクラッチ Photo:Takenori WAKO



単独でラップを決めたアイルランドが勝利するも、2位争いは集団スプリントに Photo:Takenori WAKO



2種目めのテンポレース Photo:Takenori WAKO



鈴木が最終周回で1着を取り、1点獲得 Photo:Takenori WAKO



3種目めのエリミネネーションでは2番目に除外されてしまった鈴木 Photo:Takenori WAKO



最終種目ポイントレースがスタート Photo:Takenori WAKO



落車も発生 Photo:Takenori WAKO



鈴木は2点獲得に留まり、最終結果を14位とした Photo:Takenori WAKO



3種目終えて暫定トップのベルギーが首位を守りきって優勝 Photo:Takenori WAKO



表彰式 Photo:Takenori WAKO


終結
1位 Lotte KOPECKY(ベルギー) 128p
2位 Emily NELSON(イギリス) 118p
3位 Rachele BARBIERI(イタリア) 114p
14位 鈴木奈央(日本) 46p


★男子ポイントレース
日本からは近谷涼選手が出場。
近谷選手はなかなか得点に絡めないままラップダウンとなり、最終的に18位でレースを終えました。
唯一ラップを決めたマーク・ダウニー(アイルランド)が第2戦に続いて優勝を飾っています。



ラップダウンされ、苦しい展開となった近谷は18位 Photo:Takenori WAKO



唯一ラップに成功したアイルランドが勝利 Photo:Takenori WAKO



第2戦に続き、W杯2大会連続優勝のマーク・ダウニー



表彰式 Photo:Takenori WAKO


終結
1位 Mark DOWNEY(アイルランド) 35p
2位 Niklas LARSEN(デンマーク) 25p
3位 Robbe GHYS(ベルギー) 16p
15位 近谷涼(日本) -20p


★男子団体追抜(予選〜1回戦)
16チームが出走。
日本からは一丸尚伍選手、近谷涼選手、荒井佑太選手、沢田桂太郎選手が出場。上位8チームが1回戦へ進む予選は、日本は4分09秒001で14位となり、1回戦進出はなりませんでした。
予選、1回戦を終え、決勝の組み合わせは1-2位決定戦は予選2位のデンマークと予選4位のLokosphinx、3-4位決定戦は予選3位のロシアと予選6位のスイスの対戦となりました。尚、予選1位のオーストラリアは1回戦で敗れ、さらにタイムでも上がれず、まさかのメダル決定戦進出を逃す結果となっています。



日本チームのスタート Photo:Takenori WAKO



日本は4分09秒001で14位となり、残念ながら予選敗退 Photo:Takenori WAKO



以前はラップタイムはコーチが大声で叫んでいましたが、今はデジタルの時代です Photo:Takenori WAKO


大会2日目は日本時間2月19日(日)01: 30より競技開始となります。


♦大会2日目のタイムスケジュールはこちら。表記の時間は現地時間です。日本のほうが14時間進んでいます。
http://www.tissottiming.com/File/Download?id=00030E0000FFFFFFFFFFFFFFFFFFFF0C


♦スタートリスト&リザルトはこちらで確認できます。
http://www.tissottiming.com/Competition?id=00030E0000FFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFF&sport=CT&year=2017


大会2日目は男子ケイリン、男子団体追抜き(決勝)、男子オムニアム、女子スプリント、女子団体追抜き(予選)、女子スクラッチが行われます。
日本からは男子ケイリンに河端朋之選手、男子オムニアムに今村駿介選手、女子スプリントに前田佳代乃選手、女子団体追抜きに中村妃智選手、鈴木奈央選手、古山稀絵選手、中村愛花選手が出場。女子スクラッチはまだ公式サイトにスタートリストが出ていませんが、事前のエントリーでは鈴木奈央選手の名前が入っていました。


◎ブノア・ヴェトゥコーチインタビュー◎

さて、現地からは大会前日に聞いたブノア・ヴェトゥコーチのインタビューも届きました。1週間前に終わったばかりのアジア選手権の総括や、今大会への意気込みなどを伺っています。
ちょうど大会2日目から河端選手、前田選手の短距離陣が登場しますが、ヴェトゥコーチはきっぱりと「メダルを狙っていく」とのこと。そして何より日本人選手の「戦う姿勢」を直していきたいと話しています!



ブノア・ヴェトゥコーチ(短距離ヘッドコーチ) Photo:Takenori WAKO


Q まずアジア選手権の結果はどう評価されますか。
「自分たちが思っていたよりもいい結果が出て、よかったです。(エリート短距離男女で)7つのメダルというのは、日本にとってすごくいい結果だったのではないでしょうか。ただ、男子スプリントで優勝できなかったのは残念です。アワン選手のほうが戦略がよかったので(河端朋之選手は)負けてしまいましたが、でもこれから戦略を改善していけばスプリントでもいい成績が残せると思います」
Q 競輪学校生の太田りゆ選手が、競技大会初出場でスプリント4位、ケイリン8位という成績を残しましたが。
「彼女の人生の中で初めての大会であったわけですが、まず、彼女はとても才能があります。トップレベルにはまだまだ程遠いとは思いますが、彼女は試合を怖がらない、恐れないところがいいと思います。(ケイリンに関しては)組み合わせが悪いとか、チャンスがないとかではなくて、強い選手がいてももう少しうまい戦略ができるはず。ただ、彼女はまだ戦略などは勉強していないので、それは仕方がないと思います」
Q 女子は前田佳代乃選手がケイリンで銅メダルを獲得しました。
「前田選手はアジア選手権ケイリンでは初めてメダルを獲ったと思うのですが、それはとてもよかった。やはり太田選手が入ったことで競争相手として意識し、お互いに上に上がっていけるので、すごくいい形だと思います。私は確信していますが、一年間ちゃんとした指導法でトレーニングをしたら、前田選手は絶対に強くなると思います。彼女は自分の欠点を伸ばすような走り方をしているので、それを直してやればすごくよくなるはずです。まず原点に戻って、そこから一つずつやっていけば、絶対に彼女は上達すると思います」
Q 初陣であるアジア選手権を終えて、手応えとしてはどうですか。
「(全体として)結果はよかったのですが、インターナショナルで戦えるためにはもっともっと頑張らないといけないですね。男子では(ケイリンで優勝した)脇本雄太選手の走りはインターナショナルのレベルだと感じましたが、スプリントはちょっとまだそのレベルには遠いですね。女子に関してはもう10年以上遅れてしまっているような感じだと思います。(今回のアジア選手権では)少しいい結果があったので、その少しのいい結果をモチベーションの材料にして、これからどんどんやっていけばいいと思います。
日本の皆さんは短期間の間にミラクル、魔法がパッと起きるのではないかと思っていますが、それは無理です。辛抱強く待って、1年後、2年後の目的を決めてそれに向かって一つずつやっていくのが一番だと思います」
Q 今回のW杯では選手たちにどんなことを求めていますか。
「W杯で(結果に)ショックを受けるとか、そういうことを恐れていてはダメです。将来を見据えるために、自分たちの今のレベルを知ることは必要です。まず戦うときの姿勢をちょっと直していきたいと思います。例えば自分のほうがタイムが下だから、自分は弱いという態度。そんなのは関係なく、戦うんだという強い態度に出るように変えていきたい。バンクに上がったらタイムのことは関係なく、自分は強いんだというのを見せてやれるようにしていきたいと思っています」
Q 戦う気持ちが大事だと?
「そうです。常に試合では上を目指していかなければなりません。待っているだけではダメなので、戦う姿勢でいきます。可能性は小さいかもしれませんが、今回もメダルを狙っています。様子見ではありません。スプリントは難しいかもしれませんが、ケイリンでは狙えると思います。やはり“メダルを獲れる”という感覚を大事にしないといけないと思います」