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トラックレース&競輪を中心とした自転車競技情報ブログ

 2013全日本選手権ロードレースフォトレポート! 女子エリートは独走で優勝を飾った與那嶺恵理が初のナショナルチャンピオンに輝く!!

男子エリートと同じ、6月23日に行われた女子エリートも、完走者8名という壮絶なレースとなり、優勝はなんと2周目からの独走劇で他を寄せ付けない強さを見せた、與那嶺恵理選手でした。


★女子エリート フォトレポート


雨と霧に包まれながら、6周回90kmで争われる女子エリートのレースがスタート。



1周目で萩原麻由子(Wiggle Honda Pro Cycling Team)、與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)、金子広美(イナーメ信濃山形)、崎本智子(ナカガワAS.K'デザイン)、上野みなみ(鹿屋体育大)、福本千佳(同志社大)の有力どころが揃った逃げグループができる。



2周目の上りに入ると、早くも與那嶺が単独でアタック、後続を引き離しにかかる。



金子を筆頭に、崎本、萩原が必死に追う。



完全に単独で先頭に立った與那嶺は、ペースを落とすことなく、後続との差をぐんぐん広げていく。



3番手で與那嶺を追いかける萩原。ディフェンディングチャンピオンであり、4連覇を狙う萩原にとって、非常に厳しい展開となった。



上野みなみ(鹿屋体育大)も苦しい表情で遅れ始める。



粘り強い走りで少しずつ順位をあげてきた西加南子(LUMINARIA)も、すでに先頭とはかなりのタイム差。レース後、経験豊富なベテラン西にして「これまで走ってきた中で最もきついコース」と言わしめるほど、今回の全日本は厳しかった。



最後まで走りきり、8位で最終完走者となった福本千佳。



序盤からかなり苦しそうだった豊岡英子は残念ながら完走ならず。



4周回を一人で逃げ切った與那嶺がゴール! 昨年の全日本ロードで彗星のごとく現れたニューフェイスは、そのポテンシャルの高さを否応なく見せつけた。



ゴール後、自転車を担ぎ上げ、勝利をアピールしようとした與那嶺だが、コース上ではまだ選手が走っており危険なため、ほんの一瞬だけのポーズに。



表彰式でインタビューを受ける與那嶺。周囲への感謝とともに口にしたのは、今年の世界選手権への出場を念頭においていることと、この全日本は優勝することは大前提で2位にいかにタイム差をつけられるかを意識していた、という自信に満ち満ちたもの。



そんな與那嶺の発言を隣で聞く3位の萩原。今季からスター揃いの海外チームに電撃移籍し、ハイレベルなレースで揉まれている彼女にとって、全日本タイトルは絶対に持ち帰らなければならないものだったはず。全日本TTに続き、ロードのジャージも手放した萩原の心中はいかに…。この表彰式では一度も笑顔を見せなかった。



女子エリート表彰式。左から2位金子、1位與那嶺、3位萩原。


女子エリート リザルト
1位 與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)       3時間27分29秒
2位 金子広美(イナーメ信濃山形)          +4分33秒
3位 萩原麻由子(Wiggle Honda Pro Cycling Team) +7分08秒


優勝した與那嶺選手は本当に強かった!
昨年の全日本ロードで2位に入り、一躍脚光を浴びた彼女ですが、あれから1年が経ち、だいぶ雰囲気が変わったように感じました。自転車歴が短いこともあり、昨年は初々しい姿が印象的だった與那嶺選手ですが、今はコメントを聞いても分かるように、とても自信に溢れ、高い目標に向かって突き進んでいる様子が伺えます。


そんな與那嶺選手が、全日本終了後、所属するショップのHPにレースレポートを掲載しているのですが、その中には女子選手の強化に対するJCFへの疑問も呈されています。これを書くにあたっては、きっと與那嶺選手なりに大きな決意があってのことだろうと思います。


CYCLIST FANでは主にトラック競技を取材していますので、これまでもトラックナショナルチームへの問題提起を書いたりもしましたが、ロードのほうも色々と問題はあるのだろうと感じます。やはりトラックにしてもロードにしても、選手選考に関しては意図と方針を明確にして公表すること、そして選手とのコミュニケーションをきちんと取ることが大前提として必要なのではないでしょうか。
與那嶺選手の意見から、皆さんもナショナルチームとは、選手強化とは一体どうあるべきなのか、考えてみていただけたらと思います。


與那嶺選手のレポートはこちら。
http://www.forza.jp/search?updated-max=2013-06-27T20:07:00%2B09:00&max-results=500